監督の「ゴッズ・オウン・カントリー」が良かったので今作も観てみることに。
女性の不遇さと女同士の恋、そして舞台が海というとどうしても「燃ゆる女の肖像」と比べてしまうけど、燃ゆる〜はどこか寓話的なお話なのに比べ、こちらはより現実的な印象。放尿や泥まみれになるシーンなどゴッズオウン〜の監督らしい映し方に、ああスカートがドロドロ…ああ手洗わないままパン持ってる…汚ね〜〜と何度も思った笑。性描写の生々しさもこの監督らしい。
演じたケイト・ウィンスレットとシアーシャ・ローナンの存在感と演技によっても、現実味に説得力が増しているように思った。特にケイトの演技には圧倒される。メアリーは基本的に真顔なのにその内側に感情が渦巻いているのがめちゃくちゃ伝わってきて、役者ってすごいなと素直に感動。シアーシャも、負けていない。無邪気さや聡明さを持ち合わせているお嬢さんそのものだった。
単純にはいかない想像の余地があるエンディングも良かったし、今っぽいなと思った。私は燃ゆる〜の方が、生涯忘れられない恋の鮮烈な描き方に胸を打たれたし作風も好きだけど、こちらもこの監督らしい味があって良いと思う。そして女性の不遇さを描いたこのような作品を作ってくれたこと自体もありがたいことだと思った。
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