「Swallow スワロウ」

ネタバレをしています。

嘔吐がある映画にハズレなしと言うけれど、本作もとても良かった。
籠の鳥として萎縮して貼り付いた笑顔しかできなかった主人公ハンターが、異物を飲み込み続けた末に最も大きな異物を排出し自由になったその表情は晴々としていて、その先の人生はきっと明るいと思わせてくれた。ハンターが定点カメラの前から去っていく演出も、彼女が観客の目からも解き放たれたようだった。
また、夫や義父母から物扱いされる女性を描くだけでなく、彼女を唯一肯定してくれたのが、実は男性優位社会の被害者となっていた男性というのも良い。
そして美しきヘイリーベネットが最高。感情の繊細な演じ分けが素晴らしい。映像も綺麗で、グロテスクなシーンすら美しかった。
しかし「透明人間」でもそうだったけど、自らの自由を勝ち取った人は強くて眩しいね。健全とされている。自力で生きることが正しい。ではそこから外れた生き方をしている人はどうしたらいいのか。家猫(比喩)や自力で生きれない人は寄り添ってもらえないのか、そんなことまで考えてしまった。

話は映画から少しズレたが、女性の成長物語としてとても良い作品だった。男女問わず必見の作品だと思う。

豆腐の間借り

食べ物と映画と猫となんてことない日常をつぶやいています。スタローン愛が強め。

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